寒い日が続いていますね。私の住んでいる地域は、風さえなければ「まあ耐えられる寒さ」なんですが、西風がピューピュー吹くと外に出るのがちょっと億劫になります。こんな日は、家でぬくぬくと過ごすのが一番です。
さて、在宅介護をしているとよく言われるのが、「えらいね〜、なかなかできることじゃないよ」という言葉。でも、正直なところ私自身はあまり大変だとは感じていません。むしろ、サラリーマン時代よりもずっと自分に合っている気がするんです。性分なんでしょうかね?
介護を始める前、一番不安だったのは「下の世話」でした。でもこれも、慣れてしまえばどうってことないんですよ。不思議なもので、日常の一部になってしまうんです。
たぶん、私が在宅介護をそんなに苦にしていない理由のひとつは、母が失語症であまり話せなくなり、さらに脳梗塞の後遺症で認知機能も低下していることが関係していると思います。母は今の自分の状況を理解していないので、過剰な不安や悲しみにとらわれることがないんです。
1年くらい前まではもう少しおしゃべりしていた母ですが、今では言葉も少なくなりました。話しても支離滅裂なことが多く、日本語として成立していないこともしばしば。でも、これが不思議と寂しくないんです。むしろ、ペットと一緒にいるような感覚に近いかもしれません(ちょっと語弊があるかもしれませんが…)。ペットって話さないから、こちらが勝手に思いを想像して可愛がるでしょ?それと似たような感じです。
もし母がはっきり話せて、「あそこが痛い」「ここが辛い」「早く来て!」と四六時中言われていたら、きっと私は在宅介護が嫌になっていたかもしれません。でも、母からの要求はほとんどなく、私のペースで介護できているので、気持ち的にも余裕があります。
さらに、母自身が自分の状況を理解していないのも大きいです。もし、すべてを理解していたら、きっと毎日悲しんで泣いていたことでしょう。でも、今の母は大体の時間を寝て過ごし、ときどき「ここにいればいいのかね?」なんてトンチンカンなことを言ってくれる。そのくらいの方が私も気が楽なんです。
脳梗塞の後遺症?失語症?あまり難しく考えずに、「年を取ればこんなもんだよね」くらいの気持ちで介護しています。