以前にも書きましたが、私の兄は自閉症です。映画「レインマン」のダスティン・ホフマンに近い感じです。
母親はそれはそれは兄の事を可愛がっていて、兄にとっても母親は特別以上の存在でした。
就労支援の作業所から帰って、私と母親一緒にいると私を無視して「お母さん、ただいま」と言うし、夕食を私が作っても「お母さん、いただきます」と、意地でも妹の私には言わないよと言わんばかりの態度です。そして「お母さん、100歳まで生きますよ!」と言うのが兄の決まり文句でした。
そんな母親が突然脳梗塞になり、兄の事も私の事も分からなっていることが入院中に判明しました。母親が最初入院していた急性期の病院は、コロナの規制が厳しく面会が出来ない状態で、また兄も病気の母親と対面するのが怖いのか、面会ができる回復リハビリ病院に転院してからも面会に行くのを強く拒み続けていました。
そうは言っても会わせない訳にはいけないので、一度だけ回復リハビリ病院へ兄を連れて行った事があります。反応は、私の後ろで不安げに母を見ているだけで、自分から話し掛けようとはしません。私が、「ちょっと、何か声かけてあげたら?」と言うと、「お母さん、早く退院しますよ。」と言い、それに対して母親が会話にならない反応を示したので、それきっりまた不安の表情を浮かべて黙ってしまいました。
その後、母親が退院して在宅介護が始まっても、あまり積極的に母親と係わろうとしません。あれだけ「お母さん」「お母さん」と言っていたのに、冷たいもんだと思いました。ちなみに猫も同じような反応で、全然母親に近づこうとしません😒😒 やっぱり犬の方がいいなぁ、とちょっと思いました。
話がほとんど通じない母親にどう接して良いかわからないし、自分の味方にはもうなってくれない、と言う気持ちもあるのだと思います。とりあえず、母親がこんな状態になっても、自分は大好きな訓練所に行けてるし、YouTubeも観れるし困らない、みたいな感じで生活しています。
7年前に父親が亡くなった時も、ずーーっと前によく兄を色んな所に連れて行ってくれた祖父が亡くなった時も同じ反応でした。泣くこともなく、悲しんでいるのかも分からず、ただ淡々と自分の生活リズムを守っている感じでした。
とにかく自分の生活のリズムが一番なのかもしれません。
自閉症の兄が「老い」「死」と言うものをどう受け止めているのか大きな謎です。