小指フェチの話ではない。
最近恩田陸の「蜜蜂と遠雷」を読んで、急にピアノが聴きたくなった。
私の世代でピアノと言えば、1985年のショパン国際コンクールで優勝したスタニスラフ・ブーニンである。
私もテレビ中継でショパンコンクールの様子を見ていたが、母親と興奮したのを今でも鮮明に覚えている。
もっとも多少ピアノを弾ける程度ではあり、レッスンの日は押入れに隠れてさぼってばかりいた私には詳しいことはわからないけれど、ブーニンの演奏が他のコンテスタントはちょっと違うことは感じ取っていた。
その後活躍はあまりしていないようだけれど、私の中ではピアニストと言えばいまだブーニンである。
10年位前に、隣町の町民公民会でリサイタルがあり、そこに聴きに行ったりした。
現在ではYouTubeと言う便利な媒体があるので、ブーニンだけではなくいろんな人の演奏が聴ける。コメントも読める。
私なりにブーニンと他のピアニストの聴き比べもしてみた。大きなバイアスがあるのは事実だけれど、やっぱりブーニンの演奏が好きだなぁと思ってしまう。
何が良いかと言われるとよくわからないけれど、特に高音、小指で弾いている思われる音域の音色がすごく好き。あとは、和音の各音のバランスと言うか、主旋律の聴こえ方が好み。あとは、スタッカートの感じ。
もう夏も終わり少し秋の気配を感じるなか、クラッシックを聴くとリッチな気分になる。そんな自分が「私って素敵」と思える。
アホっぽく聞こえるけれど、でもそんな自分を感じられるのは楽しい!